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月組『扉のこちら』

<第5回>

▽月組公演 ロマンス『扉のこちら』
▽宝塚大劇場1993年9月~10月
脚本・演出・・・木村信司
作品紹介・・・O.ヘンリーの短編小説(よみがえった改心)を脚色。上演時間30分のしゃれた小品。94年のロンドン公演では安寿ミラ主演で上演された。
作品評★★★★★★★★☆☆
鑑賞日・・・2002年6月18日

▽93年月組でトミー・チューン氏演出・振付で上演された『グランドホテル』の演出助手を務めていた木村先生が、その手法を取り入れ、非常にオシャレな作品に仕上げた木村先生の大劇場デビュー作。
全編音楽が流れ、セリフのやりとりをしている中心人物達の背後で、その他の出演者達がその音楽や効果に合わせ踊り続ける。お芝居の部分と歌の部分がはっきり分かれている宝塚の多くの作品とは趣を異にしているので、オリジナル作品としては新鮮でした。
ただ、『グランドホテル』のすぐ後の上演だったので、せっかく良い作品なのに、ただの模倣といった感じが残ってしまったのは残念。また、中盤から後半にかけての音楽の流れは自然な感じなのですが、前半ちょっともたついている感は否めません。

主役ラルフ・D・スペンサーは天海祐希さん。前面にアナベルを思う優しさ漂うスペンサーで、かつて大泥棒だったとは到底思えないのですが、やはりテレビで見てもスケールの大きさを感じます。
スペンサーの婚約者アナベルには麻乃佳世さん。僕は彼女は余り好きではなかったのですが、この時のメイク・髪型はとても可愛らしくグッドだと思います。
そして、スペンサーを追い続けることに執念を燃やす銭形警部、いや探偵ベン・プライスに久世星佳さん。こういう渋い役所をさせると天下一品ですね。特に芝居しなくてもその雰囲気が出せる、ある意味すごいと感じさせられました。
その他では、時間金庫に閉じ込められる子供、ジェイ星野瞳さんが歌に雰囲気作りに好演していました。
振付は尚すみれ先生。音楽は高橋城先生。

ちなみにロンドン公演では、スペンサー安寿ミラさん、アナベル月影瞳さん、ベン・プライス香寿たつきさんでした。僕的にはヤンさん(安寿)の方が翳があって、この役にはあっていたように思います。でも、ベストキャストは真琴つばささんかな、なんて思ったりしてます。
※併演作品…宝塚舞踊詩『花扇抄』 作・演出 酒井澄夫、グランド・ショー『ミリオン・ドリームズ』三木章雄でした。





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